創薬研究における標的候補発見の飛躍的向上や創造的空間をAIが提供
創薬プロセスにおいて、ターゲットの探索は、膨大な論文データの中から限られた情報を探る、まさに「干し草の中の針を探す」ような作業が必要です。一方、人による情報探索には作業量の限界や、属人的なアプローチとなるリスクがあり、網羅的な分析が難しい点が、特に近年、大きな課題となっています。 FRONTEOの創薬支援AI 「KIBIT Cascade Eye」は、膨大な論文情報をベースに、分析対象としたい疾患に関連する分子や遺伝子の情報をパスウェイマップ(関連性を表す経路図)状に可視化します。今までの論文検索では見えにくかった分子間・遺伝子間の関係を瞬時に把握できるようになり、創薬におけるターゲット探索プロセスが大幅に効率化されるとともに、ドラッグリポジショニング(既存薬の別の疾患への転用)の可能性や、発見されていなかったバイオマーカーの同定、個別化医療やアンメットメディカルニーズ*の高い疾病にかかわる研究など、AIを活用することで従来のアプローチではできなかったイノベーティブかつクリエイティブな創薬アプローチが可能となります。(特許登録番号:特許第6915818号)
*有効な治療方法が見つかっていない病気に対する、新しい治療薬や治療法への強い要望
「KIBIT Cascade Eye」の機能
分析対象としたい疾病に関連する分子や遺伝子を原因性・応答性に分類してパスウェイマップ状に表示。各分子・遺伝子の関連性が視覚化されます。 AIが人では読み込むことの不可能な膨大な情報を解析することにより、研究者の知識や経験などのバイアスに左右されない網羅的な探索を実現。AIが参照するソースに、公開されている論文やデータベースだけでなく、企業や研究機関が保有する情報を追加し、独自のデータベースを用いて研究に活用することも可能です。
分子・遺伝子間の関連性は矢印で示され、関連性の強い部分の矢印は太く、また既存薬が存在する分子や遺伝子は赤く表示されます。関連性の強さによるフィルタリング、ネットワークの一部をユーザーが削除して必要な部分のみを表示させる機能などにより、ユーザーが自由にパスウェイマップを編集することが可能です。Drug Filter機能により、注目する分子・遺伝子に働きかける効果を持つ開発品の有無や開発フェーズも簡単に確認できます。
詳しく確認したい分子・遺伝子をダブルクリックすると、当該分子・遺伝子周辺の経路図のみを抽出して拡大表示。経路図のスタート地点(原因性分子・遺伝子)、終点や中間部(応答性分子・遺伝子等)のどの箇所からでも選択・抽出できます。
さらに、「BiologicalProcess」と「Anatomy」でのEnrichment解析、Ontologyごとのサマリー表示機能により、パスウェイマップ上に表示された分子・遺伝子がどの臓器やどのような働きに関与しているかといった生物学的特性を提示します。
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