がん治療選択肢を「KIBIT Amanogawa」による非連続的発見で拡張する

2026年06月25日配信

「がん治療の選択肢拡張」という壮大なテーマに対し、「KIBIT Amanogawa」をどのように活用して、既存の知見を超えた「非連続的な発見」を導き出すのか。FRONTEOの朝日氏が、実際に脳腫瘍(膠芽腫)を題材に行った仮説生成のプロセスを、具体的なクエリ設計のコツとともに講演しました。

 

ご講演者

asahi   株式会社FRONTEO
ライフサイエンスAI事業本部
ライフサイエンスAI研究チーム 担当部長
朝日 尚

 

「KIBIT Amanogawa」を使いこなす鍵は「概念検索」を意識したクエリ設計

 

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冒頭、朝日氏はユーザーからの「クエリ作成のコツを知りたい」というリクエストに応え、「KIBIT Amanogawa」の最大の特徴である「概念検索」を最大限に引き出すためのコツを解説しました。

従来のキーワード検索とは異なり、概念検索では単語の抽象度をコントロールすることが重要。以下のステップを「実践フローのTIPS」として挙げました。

  • 根拠に基づく設計:論文の言語分布を起点に、主観バイアスを除いた単語選びを行う
  • 俯瞰と特定:まず広いワードで検索し、周辺構造を俯瞰。その後「Terms Frequency」で頻出用語を特定する
  • 共起構造の確認:単語単体ではなく、文章中でどのように使われているか(コンテキスト)を確認し、ノイズと網羅性のバランスを調整する

 

膠芽腫における「BBBを介さない薬剤輸送」の仮説 

 

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具体的なケーススタディとして、予後が極めて悪く、血液脳関門(BBB)が薬剤到達の障壁となっている「膠芽腫(グリオブラストーマ)」が取り上げられました。

朝日氏は、「BBBを介さず薬剤を届ける方法」を検討する際、まず「BBB drug delivery」という広義のクエリからスタート。カードボックス内の論文を深掘りする中で、研究者が頻繁に使用している「Bypass(バイパス)」という重要ワードを抽出しました。

 

「違和感」から生まれる非連続的な発見

 

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解析を進める中で、朝日氏は一つの「違和感」に注目します。BBBの解析データの中に、本来無関係に見える「Stroke(脳卒中)」というワードが浮上したのです。


通常のキーワード検索では見落とされるこの繋がりを深掘りした結果、驚くべき知見に到達します。

 

  • 想定外のメカニズム:脳卒中モデルにおいて、骨髄細胞が血管を通らず、頭蓋骨の微細な穴を直接通って脳内に移動しているという論文を発見 
  • 概念の転用:この「細胞の直接移動」という脳卒中分野の知見を、膠芽腫のドラッグデリバリーシステム(DDS)に応用できるのではないか?という仮説を立てました 

 

異分野の知見を繋ぎ、固定概念を崩す

 

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最終的に朝日氏は、「免疫細胞の腫瘍集積性を利用し、頭蓋骨のルートを介して薬剤を届ける」という、従来のBBB通過型製剤とは全く異なるアプローチの可能性を提示しました。
「自身の経験や専門性に依存しすぎず、AIが示す『違和感』をクエリにフィードバックすることで、固定概念を崩すことができる。これこそが「KIBIT Amanogawa」による非連続的な仮説生成の醍醐味である」と語り、セッションを締めくくりました。